認知行動療法

メールマガジン「まぐろ!」(Magazine for ろうむ)の内容をまとめたものです。
※リンクをクリックすると各項目にジャンプします

1.認知行動療法①「ものは考えよう」

「よく「ものは考えよう」と言いますが、実はこのことわざはとても心理療法的なのを、ご存知ですか?

「認知行動療法」というのですが、考え方や物事の受け取り方(認知)に働きかけて気持ちを楽にしたり、行動をコントロールする心理療法です。
アメリカやイギリスの治療指針では、うつ病が軽いときには薬を使うよりも、認知療法を使う方が良い場合が多いと書かれているそうです。

この心理療法は「ものは考えよう」ということわざと似ているので、しっくりくる方も多いのではないかと思います。
少し落ち込んだ時に自分1人で出来ますし、日常に取り入れやすいので、しばらくそのエッセンスをこちらのコーナーでご紹介していきたいと思います。

(2014年10月27日発行 メールマガジン「まぐろ!」(Magazine for ろうむ)82本目より)

2.認知行動療法②「もう半分しかない?あと半分もある?」

コップに水が半分入っている時に、「もう半分しかない」と考えるか、「あと半分もある」と考えるか。
良く使われる例えですが、「目の前で起こっている事柄が同じでも、人によって捉え方が違う」というのを説明したものです。

認知行動療法では、次の順番で感情が起こるとしています。
①状況(コップ半分の水)
②自動思考(もう半分しかないor半分もある)
 ※瞬時に自動的に浮かんでくる考えのことを、「自動思考」と言います
③感情(うれしい、がっかり等)

つまり①の状況が変わらなかったとしても、②の自動思考を変えることができれば、③でイヤな感情が起きなくなったりするのですね。
ではこの「自動思考」とは何なのか、次回お伝えしたいと思います。

(2014年11月10日発行 メールマガジン「まぐろ!」(Magazine for ろうむ)83本目より)

3.認知行動療法③「自動思考」

「自動思考」とは、頭の中に自動的に、瞬時に浮かんでくる考えのことです。
普段はこの思考をあまり意識せずに過ごしていますが、何か感情が起こるところには「自動思考あり」です。

例えば次のような状況で、自動思考が働いています。
『知り合いにメールを送ったけれど、返信が来ない⇒悲しくなる』

返信が来ないという状況に対して、頭の中に「きっと私のことが嫌いだから返信をくれないんだ」などマイナスな自動思考が浮かんでいるので、悲しい気持ちになります。
自分では自動思考に気づかず、悲しい気持ちを先に感じる場合も多いのですが、必ず一瞬、何か頭によぎる考えがあるはずです。

認知行動療法では、この「自動思考」に気づくことが大切になります。
普段の生活でイヤな気分になった時、「今、頭にどんなことが浮かんでいるかな?」と意識してみてください。

(2014年11月25日発行 メールマガジン「まぐろ!」(Magazine for ろうむ)84本目より)

4.認知行動療法④「別の考え方」

前回は、イヤな気分になった時、「今、頭にどんなことが浮かんでいるかな?」と「自動思考」を意識してみましょう、というお話をしました。
では、この「自動思考」に気づいたら、どうすれば良いでしょうか?

例えば、前回も使った次のケースです。
状況: 知り合いにメールを送ったけれど、返信が来ない

自動思考:「きっと私のことが嫌いだから返信をくれないんだ」

感情: 悲しくなる

ここで「きっと私のことが嫌いだから返信をくれないんだ」という考え方に対して、「別の考え方はないかな?」と自分で検討してみます。
例えば、「忙しい人だから、まだメールを見ていないのかもしれない」「最近寒いから、風邪でも引いていて、返信どころではないのかもしれない」などです。
こう考えれば、悲しい気持ちは薄れると思います。

日常生活で嫌な気持ちになった時には、ぜひ「今、頭にどんなことが浮かんでいるかな?」「別の考え方はないかな?」をやってみてください!

(2014年12月8日発行 メールマガジン「まぐろ!」(Magazine for ろうむ)85本目より)

5.認知行動療法⑤「感情と自動思考の違い」

前回・前々回で、イヤな気分になった時、頭に浮かんだ「自動思考」を意識すること、そして「自動思考とは別の考え方」を検討することで、気持ちが軽くなる、というお話をしてきました。

しかし、普段忙しく生活していると、自分の感情や自動思考に気づくのは、なかなか難しいものです。自分が気づいたのが感情なのか自動思考なのか、わかりづらい場合もあります。
そこで、今回は簡単な見分け方をお伝えしたいと思います。

○感情⇒1語で表せるもの
 例:悲しい、つらい、腹が立つ、怖い、不安だ、恥ずかしい など

○自動思考⇒1文で表せるもの
 例:あの人は私のことを嫌いにちがいない。私はダメな人間だ。など

これを参考に、ぜひご自分の感情や自動思考を捕まえてみてください! 

(2014年12月22日発行 メールマガジン「まぐろ!」(Magazine for ろうむ)86本目より)

6.認知行動療法⑥ 「認知の歪みその1」

前回見分けるコツをお伝えした「自動思考」を認識することで、自分の考え方のクセ=「認知の歪み」が把握できるようになります。
デビット・D・バーンズ博士は世界的なベストセラーになった著書「いやな気分よ さようなら」で10種類の「うつ病を引き起こす認知の歪み」を紹介しています。思い当たるものがあるかたは、要注意です!

  1. 全か無か思考
    ものごとを白か黒のどちらかで考える思考法。少しでもミスがあれば、完全な失敗と考えてしまう
  2. 一般化のしすぎ
    たった1つの良くない出来事があると、世の中すべてこれだ、と考える
  3. 心のフィルター
    たった1つの良くないことにこだわって、そればかりくよくよ考え、現実を見る目が暗くなってしまう。
  4. マイナス化思考
    なぜか良い出来事を無視してしまうので、日々の生活がすべてマイナスのものになってしまう
  5. 結論の飛躍
    根拠もないのに悲観的な結論を出してしまう
    a.心の読み過ぎ:ある人があなたに悪く反応したと早合点する
    b.先読みの誤り:「事態は確実に悪くなる」と決めつける

(2015年1月13日発行 メールマガジン「まぐろ!」(Magazine for ろうむ)87本目より)

7.認知行動療法⑦ 「認知の歪みその2」

前回に引き続き、デビット・D・バーンズ博士の著書「いやな気分よさようなら」で紹介された「うつ病を引き起こす認知の歪み」をお伝えします。
思い当たるものがないか、チェックしてみてください!

  1. 拡大解釈(破滅化)と過小評価
    自分の失敗を過大に考え、長所を過小評価する。逆に他人の成功を過大に評価し、他人の欠点を見逃す。
  2. 感情的決めつけ
    自分の憂鬱な感情は現実をリアルに反映している、と考える。「こう感じるんだから、それは本当のことだ」
  3. すべき思考
    何かをやろうとする時に「~すべき」「~すべきでない」と考える。
    そうしないと罰でも受けるかのように感じ、罪の意識をもちやすい。他人にこの思考を向けると、怒りや葛藤を感じる。
  4. レッテル貼り
    極端な「一般化のしすぎ」。ミスを犯した時に「自分は落伍者だ」など、感情的で偏見に満ちたレッテルを自分や他人に貼ってしまう。
  5. 個人化
    何か良くないことが起こった時、自分に責任がないような場合にも自分のせいにしてしまう。

(2015年1月26日発行 メールマガジン「まぐろ!」(Magazine for ろうむ)88本目より)

8.認知行動療法⑧ 「認知の歪みの根本原因」

前回・前々回で「うつ病を引き起こす認知の歪み」についてご紹介しましたが、このような「認知の歪み」が起こる根本原因は何でしょうか?

それは、「中核信念」のためだと言われています。「中核信念」とは、自分をとりまく世界について幼少期に持つ信念で、深く根底の部分にあるため、自分がこの信念を持っていることに気づきません。その人にとっては「完全な真実」とみなされます。

私たちはこの信念のレンズを通して世の中をみるので、例えば「私は無能だ」という中核信念を持っている人は、自動的に状況を過度に否定的に解釈してしまうことになります。人に褒められても「口先でそう言っているだけで、本心ではない」と割り引いて受け取る一方、失敗した時は「ほらね、やっぱり私はだめなんだ」と納得して「私は無能だ」という中核信念を強化していきます。

(2015年2月9日発行 メールマガジン「まぐろ!」(Magazine for ろうむ)89本目より)

9.認知行動療法⑨ 「認知の歪みを直すには?」

前回幼少期に作られた「中核信念」についてお伝えしました。この中核信念と直接向き合うことを避けるために、私たちは「媒介信念(ルールやモットー)」というものを作り上げます。

例えば中核信念が『私は無能だ』という人は、自分の無能さを感じないために、『常に全力で人より頑張らなければいけない』などのルールを作ります。
中核信念は普段意識することはありませんが、自分のルールやモットーから、中核信念を探し出すことができるかもしれません。

また、以前からお伝えしている「自動思考」(嫌な気持ちになった時に、頭に浮かぶ考え)は「中核信念」から来ています。
例)中核信念『私は無能だ』を持っている人
  ・状況:仕事でとるに足らないミスをした
  ・自動思考:「ミスをしてしまった、自分は仕事ができない人間だ」
  ・感情:ひどく落ち込む
この時、自動思考を認識することで根本にある中核信念を探っていくことができます。
また「本当にこのミスだけで仕事ができないと言えるのか?」「他の人はまったくミスしないのか?」などと自動思考が本当に正しいのか検証して、正しい考え方に修正していくことで、中核信念を変えることができると言われています。

幼少期に作られた中核信念を変えるのはなかなか難しそうですが、まずは自動思考を意識するところから始めてみてはいかがでしょうか?

(2015年3月10日発行 メールマガジン「まぐろ!」(Magazine for ろうむ)90本目より)

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